小児科のナースになることへ憧れを持っている人の多くは、子ども好きなタイプが多いです。しかし、現実の小児科では突発的な問題が毎日発生することから、ナースには総合力が求められます。大半の診療科では、ナースの役割はあらかじめ決められた範囲に留まるので、ある程度ナースとしての経験があればすぐに慣れるでしょう。一方、小児科は年齢で区切られており、専門診療科目ごとの区分けとなっていないため、内科や皮膚科、外科といった複数の疾患や疾病を持つ子どもが訪れます。そのため、内科の患者が外科の患者へ接触してしまわないよう、来院時から注意しなければいけません。
小児科においては、同じ注射器であっても子どもの血管サイズに合わせて、複数の医療機器をナースが取り扱う必要があります。基本的には、小児科医から毎回個別の指示を得られるでしょうが、必ずしも全ての指示がきめ細かに行われるわけではなく、ナースが子どもに合わせて注射器などを用意することになるのです。医師が患者と向き合っている間に必要な医療機器を用意し、落ち着かない子どもの行動を注視しながら対処することが求められます。実際に、子どもは突然走り回ったり、泣き叫んだりと様々な行動を行うので、一瞬たりとも気が抜けません。このように突発的な出来事に対する対応力が必要になるため、小児科を経験すると他の診療科へ移動しても、大抵のことでは慌てずに対処できるようになるといわれています。