小児科で働くナースにとってのやりがいは、なんといっても子どもと付き添ってきた保護者の安心したり、笑顔になったりする様子が見られることでしょう。診療をするのは医師でも、問診や処置などで接している時間はナースの方が長くなります。ときには子どもが泣き叫んだり、心配して興奮した保護者にきつい言葉を投げかけられたりすることもありますが、その感情に寄り添えるのは医師ではなくナースです。話を聞くうちに落ち着きを取り戻すことや、表情が和らいでいく様子を見ると、誰かを支えているのだと実感できます。
また、他の診療科に比べてナースの意見が重視される傾向があり、重要な存在であることを実感しやすいこともやりがいの1つです。成人であれば、経過について直接患者と医師とでやり取りすることができます。しかし、子どもは発達段階や語彙などの知識量に差があり、十分自分が感じる症状について説明することができません。そのような場合は、保護者やナースによる観察から得られる情報がとても重要になってくるのです。保護者からは日常生活との差に対する情報が得られますが、医療知識に基づく視点を持つ人は多くありません。そのため、外来であっても入院であっても、ナースの情報はより症状の確定や処置の方法の検討に役立つのです。自分の意見が受け入れられる環境は、仕事の成果に対して自己肯定感を伴って、その後のモチベーションアップと実績につながっていきます。そんな小児科で働きたいナースは、こちらの《小児科ってどんなところ?》にも注目してみると、小児科で働いているイメージをより想像できるでしょう。